注文住宅の見積もりや資金計画には、「本体工事」「付帯工事」「諸費用」など、会社ごとに違う言葉で金額が並びます。平均の数字と比べようとしても、その平均が何を含むのかが分からないと、正しく比べられません。

このページでは、総額を建物(本体+付帯工事)・土地・諸費用の3つに分けて整理します。数字は住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」(2025年度)を使い、集計の対象と用語の定義を機構の資料で確かめました。諸費用のうち税金は、国税庁などが公表している税率で計算例を示します。

先に結論

フラット35利用者調査(2025年度)の土地付注文住宅は、全国平均で建設費3,737.6万円+土地取得費1,575.3万円=所要資金5,312.9万円です。所要資金に占める割合は、建物が70.3%、土地が29.7%です(各平均÷所要資金の平均)。ただし機構の用語の定義では、この数字は工事・設計の費用と土地代の合計です。登記費用・税金・ローンの手数料などの諸費用は、定義の項目に入っていません。

諸費用のうち税金は、公式の税率で計算できます。請負契約3,700万円・土地1,500万円・借入4,000万円などの前提(下の計算例)では、取得時の印紙税・登録免許税・不動産取得税は合計37.25万円でした。ローンの手数料・保証料、火災保険、地盤改良、外構、引っ越しは会社や金融機関で違うため、見積もりで確認します。

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自分の条件で、総額・補助金・住宅ローン控除を計算できます。 使えるツール: 総額シミュレーター、補助金診断、都道府県別の相場。

総額は建物・土地・諸費用の3つに分ける

見積書での呼び方は会社ごとに違いますが、どの費用も次の3つのどれかに入ります。

区分主な中身金額の決まり方
建物(本体工事)基礎・構造・屋根・外壁・内装・標準の設備工事請負契約の金額
建物(付帯工事)電気・給排水・ガスの引き込み、外構、建て替えの解体、地盤改良敷地の条件と調査の結果で決まる
建物(設計・監理)設計費・工事監理費本体に含める会社と、別に書く会社がある
土地土地の代金売買契約の金額
諸費用税金、登記の報酬、ローンの手数料・保証料、火災保険、引っ越しなど税金は計算できる。それ以外は見積もり

大事なのは、「建物」には付帯工事と設計費も入ることです。広告の価格や坪単価が本体工事だけを指す場合、実際の建物代はその分高くなります。範囲の確かめ方は坪単価の見方で説明しています。諸費用をローンに含められるかは金融機関や商品で違うので、建物・土地とは分けて把握しておきます。

フラット35利用者調査の「建設費」「土地取得費」に含まれるもの

フラット35利用者調査の2025年度集計表は、2026年7月24日に公開されました。2025年4月〜2026年3月に機構が買取りまたは保険付保を承認した35,553件(借換えを除く)が対象です。注文住宅は2つの区分に分かれています。

区分機構の定義(用語の解説)件数
注文住宅建設費をフラット35で借り、土地取得費はフラット35で借りていないもの(他で借りたものを含む)3,889件
土地付注文住宅建設費と土地取得費の両方をフラット35で借りているもの7,733件

「注文住宅」は、土地をすでに持っている人がほとんどです。第16表では、3,889件のうち3,886件が土地取得費「なし」でした。土地を買って建てる場合は「土地付注文住宅」の数字を見ます。

項目機構の定義(要約)
建設費主体工事費、それに付随する電気・給排水・ガス設備・太陽熱温水器の工事費、設計費、工事監理費、除却工事費、屋外附帯工事費、その他必要な費用の合計額(予定)
土地取得費購入予定額、または取得時の購入価額。借地・相続などで費用がない人は未記入
所要資金注文住宅では、予定建設費と土地取得費の合計
📌 諸費用は定義の項目に入っていない

定義に並ぶのは、工事と設計の費用、そして土地の代金です。登記費用・税金・ローンの手数料・火災保険料は、項目として挙がっていません。資金調達の内訳(手持金481.1万円+機構買取・付保金4,379.0万円+その他の借入452.7万円)の合計も所要資金とほぼ同じ額です。平均の所要資金には、諸費用を別に足して考えてください。また建設費は申込時点の予定額なので、後から決まった地盤改良などが入っているとは限りません。

2025年度の平均と地域差(建設費・土地取得費)

第1表と第13表から、全国と地域別の平均を並べました。土地の割合は「土地取得費の平均÷所要資金の平均」です。

区分・地域建設費土地取得費所要資金土地の割合
土地付注文住宅(全国)3,737.6万円1,575.3万円5,312.9万円29.7%
首都圏3,814.3万円2,590.0万円6,404.4万円40.4%
近畿圏3,601.7万円1,884.3万円5,485.9万円34.3%
東海圏3,871.1万円1,453.5万円5,324.6万円27.3%
その他地域3,734.3万円1,016.5万円4,750.8万円21.4%
注文住宅(全国)4,259.8万円ほぼ全員「なし」――

首都圏は東京・神奈川・埼玉・千葉、近畿圏は大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山、東海圏は愛知・岐阜・静岡・三重です(機構の区分)。

建設費はどの地域も3,600万〜3,900万円台です。一方、土地取得費は首都圏とその他地域で約2.5倍(2,590.0÷1,016.5)の差があります。総額の地域差の多くは土地から生まれています。県ごとの数字は都道府県別の相場で確認できます。なお、土地付注文住宅の所要資金の中央値は4,884万円、土地取得費の中央値は1,200万円で、平均より低めです(第13表・第16表)。

建設費を坪単価に直すと、次のとおりです。式は「建設費÷(住宅面積÷3.30579)」です。

付帯工事と設計費を含む建設費で計算しているので、会社が示す坪単価と比べるときは範囲をそろえてください。

諸費用まで含めた資金計画を、同じ条件で並べる

平均の建設費と土地取得費に、諸費用は入っていません。タウンライフ家づくりは、希望条件を一度入れると、選んだ会社から土地費用・諸費用も含めた資金計画と間取りプランが無料で届きます。依頼後に各社から連絡が来るので、依頼先は3〜5社に絞ると比べやすくなります。

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諸費用の内訳と、金額の決まり方

諸費用は、税率が法律で決まっている「税金」と、会社や金融機関が決める「手数料・保険料など」に分かれます。

費用いつ・何にかかるか金額の決まり方
印紙税工事請負契約書・土地売買契約書・ローンの契約書契約金額で決まる
登録免許税建物の保存登記、土地の移転登記、抵当権設定登記課税標準×税率(住宅は軽減あり)
不動産取得税建物と土地の取得(都道府県に1回)(評価額−控除額)×3%など
固定資産税入居後、毎年評価額×税率(新築は減額あり)
登記の報酬土地家屋調査士・司法書士事務所ごとの見積もり
ローンの事務手数料・保証料住宅ローンの契約・実行時金融機関と商品で違う
つなぎ融資の利息・手数料ローン実行前に着工金・中間金を払う場合金融機関で違う
火災保険・地震保険引き渡しのころ構造・補償内容・期間で違う
仲介手数料・引っ越しなど土地を仲介で買う場合、入居の前後各社の見積もり

建物を新築したら、所有者は1か月以内に表題登記を申請します(不動産登記法第47条)。そのあと所有権保存登記と、ローンを組むなら抵当権設定登記をします。表題登記は土地家屋調査士、所有権や抵当権の登記は司法書士に頼むのが一般的です。

取得時の税金の計算例(印紙税・登録免許税・不動産取得税)

次の仮定で計算します。金額は土地付注文住宅の平均に近い値を丸めました。評価額は、実際には法務局や都道府県が決めます。

税金計算本則計算例
印紙税(工事請負契約書)1千万円超5千万円以下2万円1万円
印紙税(土地売買契約書)1千万円超5千万円以下2万円1万円
印紙税(ローンの契約書)1千万円超5千万円以下。軽減なし2万円2万円
登録免許税(建物の保存登記)1,500万円×0.15%6万円2.25万円
登録免許税(抵当権設定)4,000万円×0.1%16万円4万円
登録免許税(土地の移転登記)1,000万円×1.5%20万円15万円
不動産取得税(建物)(1,500万円−1,200万円)×3%―9万円
不動産取得税(土地)15万円−12万円(下の手順)―3万円
合計端数処理は省略―37.25万円

印紙税は、令和9年(2027年)3月31日までに作る建設工事の請負契約書と不動産の譲渡契約書が軽減の対象です(国税庁 No.7108)。請負契約書は5千万円超1億円以下なら3万円です。設計の請負を同じ契約書に書くと合計額で判定されます。ローンの金銭消費貸借契約書は軽減の対象外です。税額は契約書1通あたりです。

登録免許税の軽減は、市町村などの住宅用家屋の証明書を登記の申請に添付して受けます。国税庁 No.7191には、登記の後で出しても軽減は受けられないとあります。新築の建物の課税標準は登記官が認定した価額、抵当権は借入額(債権金額)です。抵当権の0.1%は、住宅の新築資金の借入でその家屋に設定するものが対象です(租税特別措置法第75条)。土地だけに先に抵当権を設定する場合などは、司法書士に確認してください。土地の売買の1.5%は令和11年3月31日までの登記が対象です。詳しくは登録免許税の軽減へ。

不動産取得税の土地分は、東京都主税局が示す式で計算しました(持分100%の場合)。

  1. 当初の税額

    1,000万円×1/2×3%=15万円。宅地は令和9年3月31日までの取得なら課税標準が2分の1です。

  2. 減額する額

    「45,000円」と「1㎡あたりの価格×床面積の2倍(上限200㎡)×3%」の大きい方。1,000万円×1/2÷250㎡=2万円、110㎡×2=220㎡は上限の200㎡を使い、2万円×200㎡×3%=12万円です。

  3. 差し引く

    15万円−12万円=3万円。土地の面積が「床面積の2倍(上限200㎡)」以下なら、土地分はかかりません。

建物は評価額から1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)を引いて3%で、評価額が1,200万円以下ならかかりません。税率3%(本則4%)は、令和9年3月31日までに取得した場合の特例です(東京都主税局・国土交通省)。東京都主税局は、この価格は購入価格や建築工事費ではなく、固定資産評価基準で決めた価格だと説明しています。申告の方法は不動産取得税の軽減と、都道府県税事務所のページで確認してください。

入居後に毎年かかる固定資産税と新築の減額

固定資産税は、1月1日時点の所有者に市町村が毎年課税します。標準税率は1.4%です(総務省)。市街化区域などでは都市計画税もかかります。新築住宅の建物分は、令和13年(2031年)3月31日までの新築なら3年間(認定長期優良住宅は5年間)、120㎡分までの税額が2分の1です(国土交通省)。国土交通省の資料では、床面積の要件は40㎡以上240㎡以下です。

計算例計算年額
建物(本来の税額)評価額1,500万円×1.4%21万円
建物(減額中・110㎡)21万円×1/210.5万円
建物(減額中・150㎡の場合)21万円−21万円×120/150×1/212.6万円
土地(住宅用地の特例)(200㎡分800万円×1/6+50㎡分200万円×1/3)×1.4%2.8万円

土地は200㎡以下の部分が評価額の6分の1、超える部分が3分の1になる「住宅用地の特例」で計算しました(負担調整でさらに低くなる場合もあります)。建物の評価額は、市町村が固定資産評価基準に沿って再建築価格をもとに決めます。東京都主税局によると、固定資産税の価格は不動産取得税の価格より低くなることが多いので、実際の税額は上の例より低い場合があります。

📌 4年目からは本来の税額に戻る

減額が終わる4年目(長期優良住宅は6年目)から、建物の税額は本来の額に戻ります。国土交通省は、増税ではなく元に戻るものだと説明しています。例なら年10.5万円が21万円になるので、最初から資金計画に入れておきます。詳しくは新築住宅の固定資産税の減額へ。

会社・金融機関で金額が違う費用の確かめ方

税金以外の諸費用と付帯工事は、会社や金融機関によって金額が違います。次の順に確認すると、抜けを防げます。

  1. 見積書を3つの区分に並べ直す

    各社の見積書を「建物(本体+付帯工事+設計)」「土地」「諸費用」に分けます。「別途」の項目は、金額が入るまで比べられません。

  2. 地盤改良と外構の扱いを聞く

    地盤改良は地盤調査の後に要否が決まります。見積もりの額が概算か未計上かを聞きます。外構は、駐車場・門まわり・フェンスなど範囲をそろえます。

  3. ローンと保険の費用を並べる

    事務手数料・保証料は金融機関と商品で違います。金利だけでなく初期費用も比べます。火災保険・地震保険は、構造が決まった段階で見積もりを取ります。

  4. 入居前後の費用を足して試算する

    引っ越し・仮住まい・家具家電を足し、総額シミュレーターで月々の返済額と年収に対する負担を確かめます。

複数の会社の資金計画を同じ条件で並べると、範囲の違いが見えます。一括資料請求を使う場合は、依頼後に各社から電話やメールで連絡が来ます。使い方は一括資料請求の使い方で整理しています。

諸費用の中で、比べると差が出るもの

諸費用のうち、火災保険とローンの金利・手数料は会社ごとの差が大きく、比べるだけで総額が変わります。どちらも無料で比べられます。

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住宅ローンを借りるときは、火災保険への加入を求められるのが一般的です。建物の構造や所在地を入れると、複数社の保険を無料で比べて診断してもらえます。

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よくある質問

注文住宅の諸費用は、総額の何%が目安ですか?
諸費用の割合を示す公式の統計は確認できませんでした。フラット35利用者調査の建設費・所要資金にも諸費用は含まれていません。土地を買うかどうか、借入額、保険の内容で大きく変わるので、税金は公式の税率で計算し、それ以外は見積もりで積み上げる方が正確です。
フラット35利用者調査の建設費に、外構や地盤改良は入っていますか?
機構の定義では、建設費に屋外附帯工事費・除却工事費・その他必要な費用が含まれます。地盤改良は項目名としては挙がっていません。建設費は申込時点の予定額なので、個別の見積もりで範囲を確認してください。
不動産取得税は、いつ納めますか?
取得後に都道府県から届く納税通知書で納めます。東京都では取得から30日以内に都税事務所へ申告します(30日以内に登記を申請すれば原則不要)。手続きと時期は都道府県で違うので、建てる場所の税務ページで確認してください。
長期優良住宅にすると、税金はどれくらい変わりますか?
このページの計算例では、保存登記が0.1%になり2.25万円から1.5万円に、不動産取得税(建物)は控除1,300万円で9万円から6万円になり、取得時の税金は3.75万円少なくなります。固定資産税の減額も3年から5年に延び、例の建物なら10.5万円×2年=21万円の差です。

まとめ

参考情報・データの出典